産経ニュースに、ドラゴンクエストの生みの親、堀井雄二氏のインタビュー記事が掲載されています。
この中で、「ドラクエらしさ」ということについてコメントされています。
これによると、昔、堀井雄二氏が「ドラゴンクエスト3」を作るとき、「遊び人」の職業を入れようとしたら、開発陣の1人に猛反対されたものの、「面白いから」ということで押し切ったことがあるそうです。
堀井雄二氏によると、こういうところが、自身の思う「ドラクエらしさ」になっているとのことです。
ちなみに、これは、なかなか分かりにくい話ですが、先日の「松本宮本対談」でも語られていた、クリエイターとして「どこでOKを出すのか」というところにつながって来るような話で、面白ければ何でもいいというわけではないものの、どの面白さをOKし、どの面白さをNGにするのかという、言葉ではなかなか説明出来ない微妙な部分の感覚的なものが大事になって来るというようなところかもしれません。
また、堀井雄二氏のゲームの作り方としては、「アイデアがまずあって、それが出来るかを検証し、出来ない場合は、理由を解析し、近いことが出来ればそれで良しとし、完璧でなくても、プレーヤーに伝わればいい」という「緩さ」を大事にしており、こういうところも「ドラクエらしさ」につながって来るようです。
堀井雄二氏は、他には、ドラクエのリメイク作品で、オリジナル版のシナリオを書き換えることがあることについて、「シナリオの書き換えに抵抗はなかった。前と同じではつまらないから」ということや、「ドラクエの初期の頃は、ゲームの記憶容量との戦いで、『マップがこうで、音楽はこれくらい』という作業はパズルのようで楽しかった。(人気が定着する)1から3くらいまではやってやるぞという意気込みだった。むしろ人気が出たあとがプレッシャーが大きくて大変だった」ということなども明らかにしています。
情報元
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コメント
自分の思うドラクエらしさとは、チープなグラで頼りない音源でも、想像を掻き立てられることで、その世界を冒険し感動できるRPGだと思っている。
今度はオンラインになるので、自分の世界に他者が入り込みそうで、自分の思うドラクエらしさが保てるのかが心配です。
DSC4さんに賛同です。
自分的ドラクエらしさは絶妙なゲームバランスにあると考えています。
レベルが上がれば、少しずつ行動範囲が広くなり、先へ進めたくなります。
ここはどのRPGでも一緒ですが、ドラクエはもっと深いです。
レベルや武器・防具を引き上げることで、戦闘時に敵からのミスを誘い、
回復のMP消費を抑え、宿屋へ行く回数がグンと減ることで、
戦闘での戦略の幅が広がり、ついでに行動範囲が広がります。
これをプレーヤーが無意識で感じ取れる調整をされていると思われます。
生か死かを無意識に感じ取れるという作りに脱帽です。